旧統一教会養子縁組 厚労省が2度目の回答書受領 養子縁組あっせん法抵触の判断本格化

カルト宗教

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が奨励していた養子縁組の実態把握のため、厚生労働省が東京都内の教団本部へ送付した再質問書について、同省は19日、教団から回答書が届いたと明らかにした。この日が回答期限だった。同省は回答内容の詳細は公表していない。無許可での反復継続的な斡旋(あっせん)を禁じた養子縁組あっせん法に抵触するかが焦点で、今後、内容を精査し適否の見極めを進める。

先月22日発出の初回の質問書に対する回答では、教団側は「(養子縁組の成立は)いずれも信者間のつながりによるもので、教団は件数の報告を受けているだけ。法令違反はない」などと主張。今回の2度目の回答についても、今月19日の産経新聞の取材に対し、「報告は信者の所属先の教会を把握するために受けており、養子縁組の法的な手続きには一切関わっていない」などと、初回と同様の見解を訴えたと説明した。

教団を巡っては、文化庁が解散命令請求を視野に、教団による被害を訴えた民事裁判計22件(賠償認容額計14億円以上)の確定判決などを根拠として、2度にわたり質問権を行使している。一方、オウム真理教など裁判所が出した過去2件の解散命令は、いずれも組織的関与のある刑事事件が根拠となっているが、教団には近年、同種事案は確認されていない。

厚労省調査のポイントとなる養子縁組あっせん法は、無許可のあっせんに対し、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される。教団は平成30年の同法施行以降も31件の縁組があったことをすでに認めており、仮に同省が違法性があるとして刑事告発に踏み切れば、捜査当局の捜査を経て、解散命令に向けた補強材料に加わる可能性がある。

現状、教団関連で刑事事件化の可能性がある唯一の事案との指摘もあり、同省関係者は「調査には慎重さが求められる」とする。ただ、調査は任意で強制力はなく、どこまで実態に迫れるかは不透明だ。「質問を3回、4回と重ねるわけにはいかないのではないか」との声も出ている。

Yahoo!ニュース
Yahoo!ニュースは、新聞・通信社が配信するニュースのほか、映像、雑誌や個人の書き手が執筆する記事など多種多様なニュースを掲載しています。

タイトルとURLをコピーしました