次々と関係が明らかになり、根の深さが明らかになる自民党と旧統一教会との関係。岸田文雄・首相は、臨時国会の冒頭に行われた所信表明演説でも旧統一教会について触れたが、そこに「関係を断つ」という言葉はなかった。
自民党と旧統一教会の関係については議員アンケート調査の結果が出たあとも、野党が徹底追及しており、新たな事実も続々と明らかになっている。しかしその一方で、追及の急先鋒である立憲民主党にも“ブーメラン”が止まらない。
9月27日、立民は辻元清美氏が旧統一教会の関連団体の会合に出席していたと発表。立民は党内調査でこれまで15人の議員に旧統一教会と接点があったことを発表してきたが、辻元氏の名前はなかった。
同党の蓮舫氏は、自民党の旧統一教会調査について、「穴だらけ」と批判してきたが、「その言葉はそっくりそのまま立民に当てはまる」と話すのは、ある永田町関係者だ。
「立民の調査も穴だらけです。党の公表した調査結果以外にも旧統一教会と接点を持っていた重鎮議員が複数います」
それが大串博志氏、原口一博氏、松木謙公氏の3議員だ。
同党の調査結果によると、大串氏は関連団体の日韓トンネル推進佐賀県民会議に秘書が3回代理出席して祝電を送付(2015~2019年)、原口氏も同団体の会合に秘書が出席(2015年)、松木氏は関連団体のWFWP(世界女性平和連合)に会費1万5000円出費(2013年)となっていた。だが、『週刊ポスト』の取材でこれ以外の接点が浮上した。
大串氏と原口氏は、それぞれ2015年に日韓トンネル推進佐賀県民会議の総会懇親会費として4000円を出費しており、松木氏は2015年に関連団体の天宙平和連合のセミナー代2000円、翌2016年にWFWPのチャリティコンサートのチケット代1万円とチャリティクリスマス会費1万円を出費していたのだ。
いずれも『週刊ポスト』は会費を支払った領収書を確認している(写真参照)。
大串氏は民主党時代に財務大臣政務官を、原口氏は総務大臣を務めた。松木氏も民主党時代に農水大臣政務官を務めたベテランである。
立民のなかでも民主党時代から長く活動する重鎮に旧統一教会汚染が広がっていた。新たな接点について3議員に聞くと、次のように文書で回答した。
「領収書の保存期間が過ぎているので、我が事務所における収支報告書作成時の原資料を確認し、事実と思われます。党本部からの質問項目(2022年7月26日)は、以下の6項目でした。
・旧統一教会からの寄付・物資等の受領
・旧統一教会への寄付・献金
・政治活動・選挙活動への支援(秘書派遣、活動参加等)
・旧統一教会関連会合・イベントへの参加(代理出席を含む)
・旧統一教会関連会合・イベントへの祝電・メッセージの送付
・旧統一教会が行なっている署名活動への署名
このうち、4項目目(代理出席)、5項目目(祝電の送付)に関する事実関係がありましたので、この点を全て報告しております。会費支出については、他には平成29年11月5日に日韓トンネル推進佐賀県民会議唐津フォーラムに1000円の支出があります」(大串氏事務所)
「資料の保存期間を過ぎており確認できません。懇親会に出るからには会費を払うのが当たり前ですが、『旧統一教会イベントではないか』とすぐ退席しており、支出が確認できなかった」(原口氏事務所)
「収支報告書の保存期間が過ぎているものについては事実確認ができませんでした。報告済みのWFWPチャリティクリスマス会費は、国連NGOのWFWPインターナショナル日本支部が貧困撲滅等の海外支援活動のための催事に参加したものと認識しており、それ以上の関係はありません。但し、上記団体が旧統一教会と不可分の関連団体である等の報道がなされておりますので、今後は上記催事への参加は致しません」(松木氏事務所)
立民はまず、ズブズブの身内の調査を徹底すべきではないか。