旧統一教会=世界平和統一家庭連合が推進してきた事業のひとつに、日本と韓国を海底で結ぶ「日韓トンネル」構想があります。その舞台のひとつが佐賀県唐津市にあり、政治家や学者が関わってきた実態がみえてきました。
佐賀県唐津市。その山中に、日韓トンネル構想の調査を目的に掘られた場所があります。
RKB三浦良介「見えて来ました。『国際ハイウェイ財団』と書かれています」
国際ハイウェイ財団は旧統一教会の関連団体で、日韓トンネルの実現を目指しています。財団によると、日韓トンネルは九州北部から韓国南部までの全長約230キロを海底トンネルで結ぶ計画で、総工費は10兆円とされています。構想について、1981年に旧統一教会の創設者・文鮮明氏がこう提唱しています。
統一教会創設者 文鮮明氏「日韓トンネルが建設されれば、アジア諸国はハイウェイで連結され、一体化されるでしょう」
その後、政治家や学者らが後押しする動きが広がり、構想を推進する組織が全国各地に立ち上がりました。RKBが行ったアンケートでは、福岡・佐賀の現職の国会議員5人が「日韓トンネル推進会議」の総会などに参加、もしくは祝電を送った、と回答しています。また、元環境大臣の原田義昭氏は国際ハイウェイ財団などが主催するイベントに度々出席。旧統一教会の元会長で国際ハイウェイ財団の当時会長、徳野英治氏と一緒に写真に映っています。
霊感商法や高額な献金などが社会問題となっている、旧統一教会。日韓トンネルの支援を名目に多額の献金を強いられたケースもある、と教団の被害弁護団を務める弁護士はこうした政治家の動きを強く批判します。
リンク総合法律事務所 紀藤正樹弁護士「日韓トンネルは、夢があるように一見見えるので、多くの政治家や経済人、あるいは学者の先生が関わっているわけですけども、その根っこには統一教会の活動があって、お金集めのために統一教会信者が駆り出されて高額な献金をさせられている。そしてその高額な献金のために、家族破壊が起こっている。そういうことにきちんと目を向けてほしいですね」