世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の創始者、文鮮明が日韓トンネル構想を巡り「100億円以上の統一教会の財源を投入した」と語っていたことが、韓国語で記された文氏の発言録から判明した。これに関し、旧統一教会問題に取り組んできた紀藤正樹弁護士に話を聞いた。
◇教団による寄付、政治家対策にも?
「日韓トンネルで100億円以上のお金が動いた」という話は旧統一教会の被害者の元信者などから聞いていましたが、それが教祖の発言で裏付けられたことに驚きました。
教団から国際ハイウェイ建設事業団(現在の国際ハイウェイ財団)に寄付された「100億円」はトンネル建設だけではなく、政治家対策などに使われた可能性があると思います。教団が正体を隠して政治家や学者に近づき、シンパに仕立てる手段にもなっていたはずです。
一方で、日韓トンネル構想を推進する政治家や学者は、自らが大事と考えるプロジェクトならどんな問題があっても目をつぶる発想が見え隠れします。教団を間接的に支援することになるので、お金の出所に問題意識を持ち、活動を自重してほしいと思います。
◇100億円の原資は献金の可能性
「100億円」の原資は日本人信者の献金だった疑いがありますが、日本では宗教法人に資金の具体的な使途を明らかにする義務はありません。米国では免税資格を得る宗教法人は、財務書類の開示義務の範囲が広がる制度があります。
日本国憲法で定められた「信教の自由」は、宗教法人が当然に免税資格を得る自由まで保障しているわけではないはずです。免税資格のある宗教法人の場合は、信者からの献金の使途について、一定の開示義務がある法制度を目指す必要があります。(1月23日召集の)通常国会でも議論してもらわないといけない問題です。
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