ロシアのプーチン大統領は21日午前、国営テレビを通じて国民に演説し、ロシアによるウクライナ侵攻に関して、戦闘継続のために部分的な動員令に署名したと明らかにした。ウクライナの親ロシア派武装勢力幹部らがロシアへの編入の是非を問う住民投票実施を一方的に表明したことについて「決定を支持する」と述べ、事実上の併合に踏み切る考えを表明した。
プーチン氏は演説で「ロシアは西側の集団的な軍事機械に対抗している」と指摘し、米欧のウクライナ軍への軍事支援により、ロシア軍が後退していることに危機感を募らせていることを示唆した。
そのうえで「すべての(東部)ドンバス地域の解放は特別軍事作戦の揺るぎない目的だ」と国民に呼びかけ「部分的な動員令に署名した」と語った。対象は全国民ではなく、特別な軍事技術などを持つ一部の予備兵を動員する見通しだ。
ウクライナ東部と南部の占領地域の親ロ派幹部らは20日、23~27日にロシアへの編入の是非を問う住民投票を実施すると発表した。プーチン氏は演説で「ドネツク州とルガンスク州、ザポロジエ州、ヘルソン州の住民の大部分が自らの将来について決定することを支持する」と強調した。
プーチン氏は2月のウクライナ東部への軍事侵攻など国家にとって重要な決定をする際に、国民向けに演説してきた。今回もウクライナ軍の反転攻勢で戦況が悪化するなか、予備役の部分動員と親ロシア派地域の事実上の併合に踏み切る意向を強調した。
プーチン氏、部分動員令に署名 30万人規模 親ロ派地域併合へ 核使用も辞さず - 日本経済新聞
ロシアのプーチン大統領は21日午前(日本時間同日午後)、国営テレビを通じて国民に演説し、ロシアによるウクライナ侵攻に関して、戦闘継続のために部分的な動員令に署名したと明らかにした。ウクライナの親ロシア派武装勢力幹部らがロシアへの編入の是非を...